Q1. 月経不順  月経が不規則、月経が来ない

Q2. 不正出血  月経以外の異常な出血

Q3. 月経痛  生理痛みがひどい

Q4. 過多月経・過少月経  月経が多い、塊が出るまたは月経が少ない

Q5. 下腹痛

Q6. おりもの

Q7. 外陰部にできもの

Q8. 月経前のイライラ

Q9.  赤ちゃんができない

Q10.赤ちゃんの成長、妊娠の経過は?

Q11.赤ちゃんができないようにしたい。(避妊相談)

Q12.婦人科検診がしたい方(子宮頚癌・体癌・卵巣癌)

Q13.ほてり・冷え・いろいろな不定愁訴、更年期?

Q14.いわゆる高脂血症

Q15.骨粗鬆症

Q1.月経不順 (月経が不規則、月経が来ない)
A.
月経周期(生理が始まった日から次の生理までの日数)は25〜38日、月経期間は3〜7日位を正常と考えます。
大事なことは皆さんが経験する出血(生理)がちゃんとした排卵をともなうホルモン的に正常な流れの結果おこった出血かどうかです。
ちょっと不安だなという方は、まず基礎体温を1ヶ月でもつけてみると良いと思います。
ホルモン的にあまりうまくいっていない方は、あなたの年齢・赤ちゃんが欲しいかどうか、ホルモンの不足の程度などにより治療法を選んでいくのが良いと思います。もちろん、無月経は気付かないうちに妊娠して月経が来ないという事もあり、注意しなくてはいけません。
赤ちゃんが欲しい方には排卵をコントロールし、まだ欲しくない方には正常なパターンでホルモンを補充し将来排卵しやすい状態を保ち、そして子宮特に子宮内膜が悪くならないようにします。

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Q2.不正出血 (月経以外の異常な出血)
A. 不正出血を経験される方は、どなたも「私は癌ではないか?」と心配されるのではないでしょうか。という訳でもちろん子宮癌の検査(子宮頚癌・体癌)は必要となります。しかし、多くの場合はホルモン異常・頚管ポリープ・炎症状疾患(膣炎など)によるものが多いです。しかし、それは検査しなければ判りません。やはり、不正出血は要注意な危険信号と考えてください。
腫瘍性のものは原則的に手術そのほか根本的な治療が必要となります。
ホルモン異常の場合はその原因にあわせた女性ホルモン投与となるでしょう。炎症に対しては卵胞ホルモンの膣剤投与が有効です。

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Q3.月経痛 (生理痛みがひどい)
A. 痛みの感覚というものは、人それぞれ異なります。
しかし、月経の度に寝込んだり仕事を休んだりでは、月経痛は女性だからしかたないとも言ってられません。
そんな異常な月経痛を月経困難症と言います。
月経困難症には月経時に身体から産生される色々な物質(プロスタグランディンetc)などに対する身体の反応の差や、骨盤の血流・うっ血などの原因による機能による機能性子宮内膜症と、子宮筋腫や子宮内膜症などの原因となる疾患がある器質的月経困難症があります。

器質的月経困難症は子宮筋腫・子宮内膜症などの病気によるもので、病状の程度により鎮痛薬、漢方薬・ホルモン剤(黄体ホルモン・ピル・低容量ピル・LH−RHaなど)で対抗しますが、難治性のものは手術が必要となります。
機能性月経困難症は、主に対症的に鎮痛剤を投与したり、漢方薬でゆっくりバランスを整えます。また、低容量ピルを使うことで月経痛を和らげ経血の量も減らしてくれることも可能です。

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Q4.過多月経・過少月経 (月経が多い、塊が出るまたは月経が少ない。)
A. 月経の量が多いのではと心配される方が多いと思います。他の人と比較もできないし・・・。
でも、パットを一日何枚も換えなければならない方は過多月経の可能性があります。
通常140ml以上の出血がある場合過多月経といい、8日以上の過長月経となります。
やはり、子宮に何かできている事が多く子宮筋腫・子宮内膜症・内膜ポリープなどが原因とされていますが、もちろん悪性の疾患もしっかり鑑別しなくてはなりません。
逆に月経が少ない(20ml以下)・期間が短い場合は、いい形でホルモン分泌が行われていない場合、無排卵周期症、年齢的なものなどでありこれも原因疾患を明らかにして対処していく必要性があります。

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Q5.下腹痛
A. 女性は男性と違って下腹痛を訴える方は多く、また、原因も様々です。
腹膜刺激症状(お腹の所見:押すと痛いとか、離すと痛い)、発熱、消化器症状などを伴う場合は、骨盤の感染(付属器炎・子宮内膜炎・骨盤腹膜炎etc)の可能性があり、原因菌の同定(雑菌・クラミジア・淋病 etc)が必要で、抗生剤投与となります。消化器症状が強く急性虫垂炎その他消化器疾患も鑑別が必要です。
無月経に伴う下腹痛(時に不正出血を伴う)は、妊娠を確認された場合は、流産・子宮外妊娠の可能性があり、全身状態を観察把握し、より迅速な対応が必要となります。(腹膜内出血を伴いショックとなることがあります。)
そのほか卵巣腫瘍の茎捻転があります。これは腫大した卵巣が根本から捻れるもので、超音波検査が有用です。しかし、女性の場合は正常月経同期中に生じる生理的変化に伴う下腹部痛も多く認められ(排卵期や黄体期・中期など)治療が必要なものかどうか判断が難しい場合もあり、その点でも基礎体温をチェックしていると非常に役に立ちます。
もちろん悪性の疾患が背後にある事も念頭に診断を確実にしていかなくてはなりません。また女性の場合、便秘による下腹痛もよく見かけるもので、軽い腹膜刺激症状を伴うものもあり注意が必要です。

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Q6.おりもの
A. おりものが多い・かゆみ・痛みなどは膣外陰部炎の所見です。
真菌・細菌性・クラミジア・淋菌などが原因で、場合により腹膜炎・不妊症の原因となることがあり注意が必要です。

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Q7.外陰部にできもの
A. 強い痛みを伴う水胞状のできものは、ヘルペス外陰部の可能性があります。 無痛性の腫瘍はコンジローマかもしれません。これらは他の性病と合併する事もまり、検査が必要です。
その他、左右に嚢腫状に肥大するバルトリン腺嚢腫があり感染を起こすと膿が溜まり膿腫形成し激しく痛みます。外陰部は脂肪のの固まりなどのも腫瘤も多く発生します。

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Q8.月経前のイライラ
A. 月経の1〜2週間前にむくみ・イライラ・憂鬱症状などが起こる状態を月経前緊張症といい、3〜4人に1人の女性が何らかの症状に悩まされています。
原因は黄体期のプロゲステロン不足、エストロゲン過剰、βエンドルフィンやセロトニンの減少などが考えられますが、対症療法・漢方療法・抗うつ薬・抗不安薬、場合により低容量ピルなどで症状を安定させる事は可能です。

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Q9.赤ちゃんができない
A. わが国では妊娠を希望して2年以上できない状態を不妊症といい、約10組の男女に1組と言われています。基礎体温をベースにして、検査を進めていきます。
主なチェックポイントは

@ちゃんとした良い排卵(ホルモンの十分な分泌を伴う)をしているか?
A卵管が詰まったり、機能が悪くなっていないか?
B子宮の形が悪かったり、できもの(筋腫内 ポリープetc)ができていないか?
C精子の数、動きが減っていないか?
D感染(結核・クラミジア etc)をおこしていないか?
E精子が子宮の入り口をスムーズに通過できなくないか?
Fその他

などです。

以上の検査を進めていき、異常が認められれば治療をしながらタイミング→人工授精→体外受精となりますが、これもご夫婦それぞれの不妊期間・年齢・希望などによりしっかり相談しながら進めていきます。
当院では、現在IVFの機器を設置しておらず日本鋼管病院や慶応大学系のドクターに紹介しております。当院でも設置次第スタートしたいと思っております。

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Q10.赤ちゃんの成長、妊娠の経過は?
A. 当院は分娩入院施設がありません。分娩の対応はできません。
里帰りの妊婦さんや、近くの連携病院(日本鋼管病院など)でお産をされる妊婦検診(だいたい34週前後まで)
を行なっています。
妊婦検診の注意点は、

<初期>
@妊娠週数の修正(予定日の確認)
  ・エコーで赤ちゃんの座高などを測定します。

A一人か二人か(三人?)か?多胎の膜性診断一卵性?二卵性? 
  ・やはりエコーで確認します。

B子宮筋腫・卵巣のう腫・子宮癌妊娠の継続。
  ・治療法の選択など検討します。

C赤ちゃんの異常
  染色体異常の可能性?
  ・エコー・血液検査でスクリーニングします。場合により羊水を調べます。

D感染症・血液型
  B型肝炎・C型肝炎・梅毒にかかっていないか?
  風疹は?血液型Rh(-)では?
  ・クラミジア感染は初期からの治療が必要です。

E糖尿病・血糖チェック
  ・おかあさんが糖尿病だと、赤ちゃんの奇形が出やすかったり、成長に異常をきたす事があります。
   (食後2〜4時間値を採血します)


<中期>
@赤ちゃんは正常でしょうか?
  ・20週前半期にエコーで赤ちゃんの奇形がないかスクリーニングします。頭の構造・心臓の構造・腹部etc
   場合により連携している日本鋼管んの精密エコーでチェックをおこないます。   
   羊水の量・胎盤の異常もチェックします。

A早産傾向は?
  妊娠はとにかく10ヶ月頑張るのが原則であり、早産を防ぐのが妊婦検診の目的でもあります。
  ・エコーにて子宮頚管の長さを測定、早産の原因とされる子宮の感染(絨毛膜羊膜炎)のスクリーニ
    ング、エラスターゼチェックなどを定期的に施行し、早産→未熟児分娩→後遺症がおこらないよう
    管理します。

B糖尿病になってきてはいないか?
  ・妊娠経過中に糖尿病が発症、悪化することがあり、十分な管理が必要です。
   中期(24〜27週)再度血糖をチェックし、場合により糖負荷試験を行います。
 
   
<後期>
@赤ちゃんは元気か?大きくなってますか?
  ・検診毎に赤ちゃんの成長。元気さ(羊水の量・動き・血流etc) を確認していきます。しかし、元気な
   赤ちゃんはよく動きます。動きが!?という場合は連絡を。必要性があればエコー、胎児心拍モニタリン
   グを行い元気さを確認します。

A特に妊娠後期は子宮も大きくなり下半身からの血液の戻りが悪くなりエコノミークラス症候群と呼ば
  れる下肢血栓がでやすくなります。
  ・下肢の血流エコー・血液検査でチェックしますが、肺に血栓がとんだりすると大変です。 
 

中〜後期にかけ、やはり怖いのは妊娠中毒症です。血圧の上昇、蛋白尿・浮腫、この変化は全身に起こり痙攣を起こしたり赤ちゃんに血液がいかなくなり、死んでしまったり、胎盤が剥がれたりして出血が止まらなくなったり・・・。
そんな怖い思いをしないように妊娠初期から注意していかなければいけません。
自分でできるものは(きっと最もむずかしいかも・・・)体重制限です。統計的にも体重の増えすぎた妊婦さんの異常分娩の確立は確実にUPしています。

BMI=体重(kg)/身長(m)×身長(m)とすると
BMIは18−24の方は妊娠中9−11kg        
     24〜28    5kg
     28以上      非妊時の体重維持を徹底する事が大切です。

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Q11.赤ちゃんができないようにしたい。(避妊相談)
A. 避妊法はその患者さんの年齢・妊娠暦・将来の妊娠予定・合併症の有無などにより選択していきます。
  ライフスタイルを考え無理なく確実な方法を選びます。望まない妊娠をしないように。

@低容量ピル
 黄体ホルモン・卵胞ホルモンの合剤で毎日服用します。ほぼ100%の避妊効果が期待できます。
 低容量ピルは避妊目的以外に副効用として、月経量・痛みの軽減・周期の正常化・ニキビ・多毛症
 の改善・卵巣癌・子宮体癌の発症率の低下などの効果があります。

AIUD 子宮内避妊器具
 避妊目的で子宮内に装着する器具で銅を付加したIUDが現在では一般的です。

Bアフターピル
 性交後の緊急避難的に用いる方法で性交後に72時間以内に中容量ピルを2錠ずつ12時間あけて
 服用します。

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Q12.婦人科検診がしたい方(子宮頚癌・体癌・卵巣癌)
A. 川崎市では20才以上の方で偶数歳で補助金が支給されます。しかし、癌検診は1年1度行うことをお勧めします。
子宮頚癌はパピローマウィルスというウィルスが原因といわれ性交渉をもつ年齢で発生する可能性があり、若い方からチェックの必要性があります。
体癌は女性ホルモンの影響で発生することが多く、不正出血を認める方は検査が必要です。
検診の際には必ず経膣エコーで卵巣腫瘍の確認が必要です。
卵巣は生理的変化による機能的な卵巣のう腺から良性・中間群・悪性、大きさも様々でエコーで確認し、どのように経過を見ていくか慎重に選択していきます。

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Q13.ほてり・冷え・いろいろな不定愁訴、更年期?
A. 20〜30才でピークとなった女性ホルモンは、これ以降は徐々に減少し50才前後で急激に降下し、この前に(40代後半から50代前半)の一連の移り変わりの時期を更年期といいます。
この時期女性ホルモン(エストロゲン)の減少に伴い、様々な症状が表れてきます。治療方法は心理療法、カウンセリングから薬物療法・漢方薬・安定剤・抗うつ薬まで色々ありますが、足りない分を最低量のホルモンで補ってあげるホルモン補充療法(HRT)が効果的です。

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Q14.いわゆる高脂血症
A. 女性は更年期になると急にコレステロールが上昇していきます。これも女性ホルモン(エストリゲン)の減少によるものといわれています。
心血管病の予防の為、高コレステロール血症に対して、食事療法・運動療法が基本ですが、病状によってはバスチン、フィブラートなどの薬物治療が必要となります。
(HRTも慎重に併用していきます。)
最近はコレステロールの値だけでは心血管疾患のリスクを説明できず、いわゆる内臓肥満・メタボリックシンドロームを有する患者さんを診断・治療していくことも更年期医療に欠かせないと考えます。

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Q15.骨粗鬆症
A. 更年期障害・高脂血症とならんで更年期から老年期の女性に起こる事の多い疾患です。
女性ホルモン(エストロゲン)の不足により知らず知らずに進行し転倒→骨折→寝たきりという最悪のパターンです。エストロゲンは骨が溶けるのを防ぐ作用があり、更年期になり にエストロゲンが低下する事で骨がどんどん溶け出しだしてしまうと言うわけです。もちろん食事・カルシウム供給・運動などが大切ですが、HRT、 骨だけにエストロゲン作用を有する薬剤エビスタ。骨の溶けるのを抑えるビスフォスフォネートなどを使用します。

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